療法的園芸
(Therapeutic Horticulture)

  • 研究からわかってきたこと

    世界では、自然環境が人に与える影響について多くの研究が行われており、
    植物や庭と関わる時間が

    ・心の安定・ストレス反応の軽減
    ・注意力・認知機能の回復
    ・血圧や心拍数の安定

    といった変化につながることが報告されています。

  • 〈海外の研究の例〉

    Park & Mattson(2009) は、術後の患者を対象とした研究において、病室に植物を設置したところ、入院期間の短縮、鎮痛薬使用量の減少、痛み・不安・疲労感の低下が見られたと報告した。

    Van den Berg & Custers(2011) の研究では、ストレスのかかる課題の後に30分間の軽いガーデニングを行った場合、室内で読書をした場合と比べ、唾液中コルチゾール(ストレスホルモン) の低下がより大きく、ポジティブな気分の回復も良好であることが示された。

    Detweiler ら(2009) は、認知症ユニットに安全に歩ける庭を導入した研究において、転倒件数および転倒重症度が約30%減少し、庭をよく利用した入居者ほど転倒が少なく、高用量の抗精神病薬の必要性が低下したといった変化を報告した。

    これらの研究は、自然や庭が「治療を支える環境」として機能しうる可能性を示しています。

療法的園芸の効果を
引き出すための空間構成

  • 1

    感覚をやさしく刺激する
    「散策エリア」

    四季の変化を感じ、葉や花に触れ、香りを楽しむ。視覚・触覚・嗅覚がやさしく刺激されることで、心身の活性化と穏やかな気分転換を促します。車椅子や歩行器でも安心して利用できる動線により、無理のない身体活動を取り入れられるよう設計します。

  • 2

    そよ風と光に包まれる
    「憩いのテラス」

    散策までは難しくても、少し外気に触れたり、陽の光を浴びたりしたい日に。ベンチでお茶を楽しんだり、夕方にふわりと漂う植物の香りを感じたり、穏やかな時間が生まれます。建物と庭をつなぐ半屋外空間は、心地よい「外との距離感」をつくり、ご本人・ご家族・スタッフの方々にとっても大切な憩いの場となります。

  • 3

    ガラス越しに自然を感じる
    「静かな室内スペース」

    暑さや寒さ、雨風が厳しい日でも、空調の整った室内から季節の移ろいを眺められる場所。風に揺れる植物や季節ごとの光、野鳥や蝶の訪れを眺める時間は、入居者の方々の心を穏やかにしてくれます。